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診断書出したのに『無断欠勤』扱いされ解雇…パワハラで適応障害の男性に“労災”認定、カギは“申請前”の主治医意見書

お知らせ2026.10.28

■概要

パワハラなどで適応障害を発症した男性について、相模原労基署が10月9日付で労災と認定し、休業補償給付などの支給を決めました。ポイントは、労災申請前に弁護団が主治医と詰めて作成した意見書だけで判断され、労働局の専門医による検討が省かれたことです。

 

 

■事案の経過

  • 2023年6月に正社員として入社し、9月ごろから先輩や店長による暴言、脅し、人格否定を受ける。
  • 窃盗事件の連帯責任として賞与から1.5万円を天引きされる。
  • 同年11月に適応障害で2か月の休養加療が必要と診断され、診断書を提出して休業する。
  • 会社は休業を「無断欠勤」扱いし、2024年1月に「出勤要請及び解雇通知書」を送付する。
  • 2025年に会社との間で別途「解決」をしたうえで、同年11月に労災を申請する。

 

 

■認定のロジック

精神障害の労災認定基準では、発病前おおむね6か月の業務による心理的負荷を総合評価し、「強」になれば業務起因性が認められます。

  • 1か月92時間の時間外労働は「中」。
  • 同僚等からの嫌がらせも「中」。
  • 労基署は、この**「中」2つを総合して「強」**と判断した。

弁護団が「画期的」とするのは、「中」が複数あっても実務上は「中」にとどまる例が多いからです。理由として、2つの出来事が時期的に近接していた点が挙げられています。

 

 

■残業時間の認定

  • 会社の労働時間管理は不適切でしたが、指紋認証の記録が客観証拠として使われました。
  • 終業後の残業は記録どおり認められました。
  • 始業30分前からの「前残業」は認められず、弁護団は問題視しています。

 

 

■手続面の意義

  • 2011年の認定基準で、「強」が明らかな事案は主治医の意見で判断できるようになりました。
  • 2023年9月の改正で、精神科医3人の合議が必要だった事案も、特に困難なものを除き専門医1人の意見で足りるようになりました。
  • それでも「主治医の意見書のみで通った」例は珍しく、本件では弁護士がカルテを事前に入手し、認定基準に照らして意見書案を作り、主治医とすり合わせました。
  • 弁護団は、今後は認定基準に即した意見書の事前準備が弁護士の必須実務になると指摘しています。•また精神科医には、発症のきっかけとなった職場の出来事をカルテに丁寧に記録するよう求めています。

 

 

■まとめ

  • カルテの記載が証拠になるので、労働者側は、職場の出来事を医師に具体的に伝えることが重要です。
  • 客観的な時間記録があれば、打刻、ICカード、PCログ、指紋認証データなどは、会社の管理が不適切でも認定の根拠になり得ます。
  • 診断書提出後の「無断欠勤」扱いや解雇は、業務上の傷病による休業中の解雇制限(労基法19条)や、賞与からの罰金的な天引き(賃金全額払い・減給制裁の規制)との関係で、そもそも問題が大きい対応です。
  • 休業補償給付の請求権の時効は2年です。申請が遅れても、期間内であれば請求できます。

 

 

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/d67f99dad0347617b096709c890d8c53bd9b4079?page=1

 

 

 

 

 

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