お知らせ
女性と「定年」~男性との違いに着目して
お知らせ2024.07.17
ニッセイ基礎研究所 生活研究部 准主任研究員・ジェロントロジー推進室兼任 坊 美生子氏
ニッセイ基礎研究所男女雇用機会均等法女性活躍推進高齢者雇用女性の定年
https://jinjibu.jp/tag/?tag=%E5%A5%B3%E6%80%A7%E6%B4%BB%E8%BA%8D%E6%8E%A8%E9%80%B2
要旨
男女雇用機会均等法の施行から40年近く経ち、今後、定年を迎える女性が増加すると見込まれる。しかし、従来の「定年」に関する指南書は、概ね男性が想定されている。定年を経た女性のロールモデルも少ないことから、中高年女性たちの中には、定年後のイメージを持てない人が多いのではないだろうか。
定年に関する男女の違いは多数あるが、筆者が考える主なものを挙げると、(1)定年前後のギャップの度合い、(2)定年後も働くためのリスキリングの必要性、(3)定年後の年金水準、(4)家族形態の多様性、(5)定年後の長さ――の5点ではないだろうか。
すなわち、女性が定年後も仕事を続ける場合は、定年前に比べた地位や待遇等の落差が小さいため、男性に比べれば、大きな戸惑いを抱えることなく、穏やかに働き続けられる人が多いと考えられる。また、濃密な育児の経験があったり、趣味のネットワークを持っていたりと、人生を「仕事一筋」ではなく、複線的に過ごしてきた人が多いと見られるため、引退後の「会社から地域へ」の移行も、よりスムーズにできると予想できる。
ただし、安心できるのは、心理面の話である。経済面で言えば、定年後の女性は、年金水準が低く、シングルの割合も多く、「定年後」も長いため、男性よりもリスクが大きい。この点こそは、定年を控えた中高年女性にとって最も切実な点だろう。従って、経済面に不安がある女性は、長く働き続けられるように、リスキングに取り組むなどの備えが必要だろう。女性は事務職に就く人が多いが、事務の仕事は先細りだからである。
逆に、定年前の年収水準が高い女性は、男性同様に定年前後のギャップが大きく、戸惑うかもしれない。定年後も働き続ける場合は、組織における自身の役割について考え直し、マインドをリセットするとともに、引退後は充実して暮らせるように、定年前から「すること」や「行くところ」をイメージしておくと良いのではないだろうか。
- 3――定年を控えた女性に対して企業が取り組むべきことに関する検討
- https://jinjibu.jp/article/detl/hr-survey/3499/?arttop=new#heading_2_3
関連記事
-
お知らせ
「副業・兼業」制度に関するアンケート調査
グローバル人材の転職を支援する人材紹介会社のロバート・ウォルターズ・ジャパン株式会社による語学力と専門スキルを活かして働くグローバル人材を対象に「副業・兼業」について調査したアンケート結果を発表しまし...
お知らせ2024年卒 就職プロセス調査
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:北村 吉弘)のより良い就職・採用の在り方を追究するための研究機関・就職みらい研究所(所長:栗田 貴祥)の「就職プロセス調査」 ...
お知らせ新型コロナウイルスによる雇用・就業への影響等に関する調査
◎企業の経営状況.・2021 年1月の企業の生産・売上額等は、2020 年5月と比較しても減少企業割合が増加企業割合を上回り、前年同月との比較では依然として5割以上で減少 ・2割...
ご相談・ご依頼はお気軽にどうぞ!