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過労死ライン 20年ぶりに見直し 曖昧な総合的判断
お知らせ2021.07.16
厚生労働省は、労働時間以外に、勤務時間の不規則性を重視し、労働時間数と総合して業務上外認定するよう。脳・心臓疾患の労災認定基準を見直す方針を打ち出しています。
「総合的に」というと柔軟な対応は可能になりますが、曖昧な部分が拡大する懸念があり、企業の労務担当者を悩ませることになりそうです。
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現行基準は、「発症前1カ月間におおむね100時間または発症前2カ月間ないし6カ月間にわたって、1カ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働」が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いなどと評価して業務上認定しています。
この「過労死ライン」を超えないように労働時間管理を徹底すれば問題ありません。
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しかしながら、今回の認定基準改定では、「労働時間のみで業務と発症との関連性が強いと認められる水準には至らないがこれに近い時間外労働が認められる場合には、特に他の負荷要因の状況を十分に考慮すべきである」としています。
たとえば、「不規則な勤務・交替制勤務・深夜勤務については、予定された業務スケジュールの変更の頻度・程度・事前の通知状況、勤務のため夜間に十分な睡眠が取れない程度などを評価する」とされていますが、客観的な負荷基準を明確にしなければ、企業の労務担当者がその程度を判断することが非常に困難であると考えられます。
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企業に対してできる限り明確で予見可能な判断基準を示す必要があるでしょう。
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「脳・心臓疾患の認定基準」
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-11.pdf
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