コラム
警備員男性の過労死、会社側に4350万円賠償命令 時間外月120時間と認定 神戸地裁
コラム2022.07.29
兵庫県豊岡市の警備会社に勤めていた男性が虚血性心不全で亡くなったのは、長時間労働による過労が原因として、男性の遺族らが同社などに約5770万円の損害賠償を求めた訴訟
神戸地裁は、発症と死亡は業務が原因として同社と同社社長の責任を認め、計約4350万円の支払いを命じたとのこと。
男性の時間外労働は、発症前1カ月で120時間45分、発症前4カ月間平均で約85時間17分と認定
過労死の認定基準は、「発症前1カ月間におおむね100時間または発症前2カ月間ないし6カ月間にわたって、1カ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働」が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いなどと評価して業務上認定しています。
この「過労死ライン」を超えないように労働時間管理を徹底すれば問題ありません。
しかしながら、昨年の認定基準改定では、「労働時間のみで業務と発症との関連性が強いと認められる水準には至らないがこれに近い時間外労働が認められる場合には、特に他の負荷要因の状況を十分に考慮すべきである」とされました。
たとえば、「不規則な勤務・交替制勤務・深夜勤務については、予定された業務スケジュールの変更の頻度・程度・事前の通知状況、勤務のため夜間に十分な睡眠が取れない程度などを評価する」とされています。
綜合的に評価するといえば聞こえはいいですが、客観的な負荷基準を明確にしなければ、企業の労務担当者がその程度を判断することが非常に困難であると考えられます。
.企業に対してできる限り明確で予見可能な判断基準を示す必要があるでしょう。
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