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コラム

「裁量制」導入の協定無効—労働者代表の選任に問題あり

コラム2026.07.10

  1. 「過半数代表者」選任は形式論ではなく実質論で見られる

労働者の過半数代表者の選任は、

・管理監督者でないこと

・投票・挙手等、民主的な方法による選出であること

・使用者の意向による選出でないこと

を要件としていますが、本件は「手続きが形式的に存在した」だけでは足りず、実質的に過半数の支持が確認できる手続きだったかが問われた点が核心です。

「投票用紙は配ったが誰が何人分の支持を得たか記録がない」「一部の職種・部署だけに投票権を絞った」といった運用は、まさに本件と同じ弱点を抱えている可能性があります。

 

  1. 遡って無効になるインパクトの大きさ

過半数代表者の選任手続きに瑕疵があると、労使協定自体が無効となり、みなし労働時間制の効果が丸ごと否定されます。その結果、実労働時間ベースでの残業代・深夜/休日割増の再計算という、企業側にとって極めて重いリスクに直結します(本件は約1800万円)。

裁量労働制・変形労働時間制・36協定など「過半数代表者」を前提とする制度全般に共通するリスクです。

 

3.実務的なポイント

・選出方法(投票・挙手・持ち回り決議等)を記録に残し、支持者数・母数が事後的に検証可能な状態にしておく

・特定の部署・職種に対象を限定した選出は、母集団の代表性を欠くとみなされるリスクがある

・使用者側が候補者を指名する、あるいは推薦の実態が使用者主導になっている場合は「使用者の意向に基づく選出」として無効リスク

・選任手続きの周知・投票機会の公平性(非常勤・有期雇用者を排除していないか等)

 

※この判決は最高裁への上告方針が示されているため、今後の展開次第では最高裁の判断が示される可能性があります。

 

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【WEB労政時報】

 

松山大(松山市)が2018年に導入した「専門業務型裁量労働制」の前提となる労使協定は無効だとして、教授3人が大学側に未払いの残業代や損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、高松高裁は7日、大学側に計約1800万円の支払いを命じた一審松山地裁判決を支持し、双方の控訴を棄却した。

 

専門業務型裁量労働制は、仕事の進め方などを労働者に委ねる業務を対象に、あらかじめ決めた時間を働いたとみなす。労働基準法では、制度の採用に当たって労働者の過半数を代表する者と使用者側で労使協定を結ぶよう定めている。

 

高裁の藤田昌宏裁判長は判決理由で、制度を効果的かつ円滑に導入するためには、個々の労働者の意思を尊重する必要性が高いと指摘。17、18年度の労働者代表を選ぶ手続きは「労働者の過半数による支持が明確になるものとは言い難い」「民主制を担保するためにあらかじめ定められた手続きすら順守していない」として裁量労働制に関する労使協定は無効と判断した。(共同通信社)

 

 

https://www.rosei.jp/readers/article/91136

 

 

 

 

 

 

 

 

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