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「マイナ保険証」が原因で、5年後に「無保険難民」が増えるかもしれない理由

お知らせ2023.05.02

------ 経済ジャーナリスト 荻原 博子 ------

 

 

~  医療現場も介護現場も大混乱  ~

 

2019年から2022年にかけて、日本は「新型コロナ」という大きな災いに直面し、医療崩壊の危機に直面しました。この危機をなんとか乗り越えられたのは、国民全員が力を合わせて協力し、中でも世界に冠たる日本の医療体制と、過労で倒れる寸前になりながらも現場で踏ん張った医師はじめ医療関係者の献身的な働きがありました。

 

その日本の医療体制を内部から揺さぶり、医師たちを危機に立たせるかもしれない元凶が、「マイナ保険証」の義務化と「健康保険証の廃止」です。

 

前回、不安を抱え、訴訟まで起こした医療関係者の声をお届けしましたが、苦境に立たされそうなのは医療関係者ばかりではありません。実は介護関係者も、「健康保険証の廃止」で、窮地に追い込まれていく危険があるのです。

 

介護の現場が悲鳴をあげる

2月27日、厚生労働省は、介護保険サービスを利用する際に必要な介護保険証を、「マイナンバーカード」と一体化させる方針を明らかにしました。早ければ、2025年度にも一部自治体で先行導入することを目指し、26年には全国規模での運用を目指します。

 

これに対して、介護業界では不安の声が広がっています。

 

全国保険医団体連合会が全国8980の介護施設などを対象に行ったアンケートでは、59%の施設担当者が「保険証廃止に反対」、94%の施設が利用者・入所者のマイナンバーカードの申請(代理)について「対応できない」と回答しました。対応できない理由のほとんどは、「本人の意思確認ができない」というものでした。

 

 

ほとんどの介護施設では、入居者の「健康保険証」を預かって、入居者の病気や怪我に対応しています。これが「マイナ保険証」になると、「マイナンバーカード」だけでなく大切な暗証番号まで預からなくてはなりません。これは、入居者の実印を預かるようなものですから、厳重な情報管理が求められます。

 

けれども、ほとんどの介護施設が、そのための人も時間もお金も用意できないというのが実情。その上に健康保険証だけでなく、介護保険証まで「マイナ保険証」に紐付けるというのですから、懸念を示すのも当然でしょう。

 

介護保険証については、健康保険証のように「廃止する」という方針はまだ出ていませんが、「マイナ保険証」の普及率向上のために、健康保険証と同じく「廃止」という大なたを振るう危険性は充分にあります。

 

 

「マイナ保険証」の有効期限は5年

医療、介護の現場が悲鳴をあげる中で、3月7日、政府は現在ある「健康保険証」を廃止して「マイナ保険証」に一本化するという閣議決定を行い、4月27日、まともな審議もしないまま数の力で衆議院を通過しました。私は、「健康保険証」を廃止することは、日本の国民皆保険を崩壊させることにつながると思っています。そして、その崩壊の兆しは、5年後に現れるはずです。

 

現在の「健康保険証」の有効期限は2年間で、期限が切れる前に、新しい保険証が確実に手元に送られてきます。ですから、更新し忘れるということは起きません。

 

これに対し、「マイナ保険証」の有効期限は5年間。政府は、「健康保険証」よりも有効期限が長いのがメリットだと宣伝していますが、「マイナ保険証」は、5年経ったら自ら自治体の窓口に行って更新の手続きをしなければなりません。しかもその際には、暗証番号が6~16桁の「署名用電子証明書」と、同じく4桁の「利用者証明用電子証明書」、さらに4桁の「住民基本台帳用」のパスワードが必要になります。

 

 

実は2020年に、コロナ禍での経済対策として全国民に10万円を給付した際に、国は「『マイナンバーカード』があればスムーズに手続きができて、すぐに10万円が振り込まれる」と言っていました。

 

このため、カードを持っている人はこぞって各自治体で申請しましたが、暗証番号を忘れていたり、書類に不備があったりして、窓口が大混乱になったのを憶えている人も多いはず。このため、「マイナンバーカードお断り」という自治体まで出たのです。

 

 

ちなみに、マイナンバーカード署名用電子証明書の6~16桁の暗証番号は5回、利用者証明用電子証明書の4桁の暗証番号は3回、住民基本台帳用の4桁の暗証番号は3回、入力を間違えると、ロックがかかって使えなくなってしまいます。

 

話を聞いた東京都の某市長は、「コロナ対策で大変な最中、余分な作業で窓口が振り回され、大混乱しました」と振り返り、さらに「同じような大混乱は、今年2月末のマイナポイント駆け込み申請でも起きました。怖いのは、ここで『マイナ保険証』を申請した方が、5年後に更新のためにまた同じように窓口に殺到することです」と語っていました。この市長が不安を感じるのには理由があります。

 

後編記事『保険料「未払い」が続出し、日本の保険制度は崩壊へ…「マイナ保険証」の恐ろしすぎる悪影響』では不安の理由、そして5年後に保険制度そのものが崩壊するかもしれない根拠について説明していきます。

 

 

現代ビジネス「講談社」:

https://gendai.media/articles/-/109617?imp=0

 

 

 

 

 

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