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「AI役員」が経営参加 多様な視点、意思決定支援 会議で意見、高度な役割

お知らせ2025.09.10

人工知能(AI)が会社の経営判断に関わるようになってきた。キリンホールディングスが開発した「AI役員」は幹部会議に参加し、論点や意見を投げかけている。経営陣の補佐役として多様な視点を示し、意思決定を助けるためだ。同社はグループ会社への展開も視野に入れる。

 

技術の進化に伴い、利用者の質問に自然な表現で答える生成AIが普及。自ら判断し、行動する「AIエージェント」も登場した。できることが増えていくAIに、高度な役割を担わせる動きが加速しそうだ。

 

「事業を横断するICT(情報通信技術)の基盤は整備されているか?」。キリンの会議では「CoreMate(コアメイト)」と名付けられたAI役員が経営陣の発言を即座に分析し、議論すべきテーマがあれば出席者のパソコンや部屋のモニターに表示する。

 

AI役員は財務や海外、法務といった専門分野を持つ12の仮想人格で構成する。過去10年分の議事録などを読み込ませており、会議資料を作るときの相談相手としても役立つという。

 

6月の導入後、幹部からは「鋭いと感じる論点が出てきた」「会議の緊張感が増した」との声が上がっている。来年にはAI役員と音声で対話ができるようになる見込みだ。

 

キリンの事業は酒類や飲料だけでなく、健康関連など多岐にわたる。競争環境が目まぐるしく変わる中、AIの助けを得て判断の質とスピードを高めたい考えだ。ただ、この取り組みを担当する経営企画部の木村弥由さんは「最終的な意思決定は人間の仕事だ」と強調する。

 

経営でのAI活用では、住友商事が今年から、議事録データを蓄積した生成AI「Compass(コンパス)」を、投資の意思決定の際に生かしている。提案された投資案件に似た過去の事例で、どんな論点があったかを調べられるという。

 

業務変革を支援するコンサルティング大手アクセンチュアは、最高財務責任者(CFO)など幹部役のAIエージェントを開発し、顧客に提供している。今後、企業の間でAIに相談しながら経営を進める動きがさらに活発になるとみている。(共同通信社)

 

 

【WEB労政時報】.

https://www.rosei.jp/readers/article/89631

 

 

 

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