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大手企業、賃上げに前向き 経団連会長「ベア念頭に」25年春闘、首相は言及せず
お知らせ2025.01.09
経済3団体の新年祝賀会が7日、東京都内で開かれ、集まった大手企業の経営者からは2025年春闘について賃上げに前向きな発言が相次いだ。経団連の十倉雅和会長は終了後の記者会見で「物価上昇に対応するためベースアップ(ベア)を念頭に賃上げしてほしい」と呼びかけた。春闘を前に岸田文雄前首相らはこの場で経済界に賃上げを要請することが多かったが、この日出席した石破茂首相はあいさつで触れなかった。
23、24年と高水準の賃上げが実現したものの物価高の影響で実質賃金は上がっていない現状を踏まえ、経済界は意欲を見せている。
祝賀会の冒頭で、代表して経済同友会の新浪剛史代表幹事は25年春闘について「雇用を支える中小企業の賃上げが鍵になる」と指摘し、中小がコスト上昇分を適切に価格転嫁できるように後押しする考えを表明した。「実質賃金を恒常的に上昇させる仕組みを構築する重要な時期だ」とも述べた。
24年春闘の平均賃上げ率は、大手企業で5・58%(経団連集計)となり、1991年(5・60%)以来、33年ぶりに5%を超えた。一方で、中小企業は3・62%(日本商工会議所集計)にとどまった。
全国の中小企業をまとめる日商の小林健会頭は記者会見で「企業数が多く、地方のインフラを担う小規模事業者が賃上げできるように伴走支援したい」と語った。十倉氏も「大事なのは中小と非正規社員の賃上げだ」と訴えた。祝賀会には企業のトップら約1500人が出席した。
各企業の経営者も賃上げ継続への意欲は高い。取材に応じた西武ホールディングスの西山隆一郎社長は「昨年以上の賃上げを実施する」と明言し、アサヒグループホールディングスの小路明善会長も「昨年並みの賃上げは最低限目指したい」と語った。
大幅な賃上げを率先することで好影響を波及させたいとの思いもにじむ。キリンホールディングスの磯崎功典会長は「6%を目指したい。社員のためだけでなく、日本企業に対して(賃上げする)背中を示したい」と話した。すかいらーくホールディングスの谷真会長は「日本経済全体で賃上げと価格の引き上げを、これから数年間は継続することが極めて重要だ」と言い切った。(共同通信社)
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