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最低賃金、初の全国平均1000円台へ 28日決着 物価高考慮
お知らせ2023.07.28
2023年度の最低賃金について、「中央最低賃金審議会」(厚生労働相の諮問機関)の小委員会が、全国加重平均で時給1000円台とすることで最終調整に入ったことが27日、関係者への取材で分かった。1000円をわずかに上回る額になる見通しで、28日に決着する。世界的なインフレや円安による物価高騰に加え、春闘の賃上げ結果を考慮した。実現すれば現在の961円から約4%の引き上げとなり、初めて1000円の大台に乗る。
最低賃金は使用者が支払わなければならない賃金の最低額で、年に1回改定される。労使の代表と有識者の3者で構成される厚労省の審議会で示された目安を参考に、各都道府県の審議会で上げ幅を確定し、10月ごろに改定する。
今年の春闘で正社員の賃上げ率が平均3・58%と高水準になったことを受け、労働者側をまとめる連合選出の委員が審議会で「賃上げの流れを波及させるのが重要だ」と大幅な引き上げを求めた。
一方、中小零細企業の賃金上昇率は2・1%と春闘よりは小幅で、経営者側の委員は「大幅な引き上げは中小零細企業の支払い能力を超える」と慎重な姿勢を示し、人件費の原資となる価格転嫁も進んでいないと訴えていた。このため、26日の審議会で議論は9時間に及び、最終的に結論が出なかった。
ただ、物価の伸びは大きい。総務省の「消費者物価指数」(持ち家の帰属家賃を除く総合)では、22年10月以降、対前年上昇率が3・8~5・1%で推移しており、物価上昇がとどまる気配はない。小委員会は、政府に対して経営の厳しい中小零細企業への支援拡充を求める方向。経営者側に配慮した形とし、合意を取り付けたい考えだ。
「全国加重平均1000円」は15年の安倍政権以降、政府・与党が掲げてきた目標。岸田文雄首相は今春以降、「今年中に達成する」との意向を繰り返し強調し、賃上げの象徴としたい考えだった。
https://mainichi.jp/articles/20230727/k00/00m/020/203000c
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