お知らせ
コロナでも… 氷河期世代に追い打ち 「不採用ばかり」解雇や収入減、強まる風当たり 雇用相談に大挙
お知らせ2022.03.04
バブル崩壊後に就職難に見舞われ、非正規雇用で働く事例も多い「就職氷河期世代」からの支援ニーズが、長引く新型コロナウイルス禍でいっそう高まっている。兵庫県内では、労働局への相談が増え、職業訓練施設の見学会などに大勢が参加する。支援団体は「雇用拡大につながる機会を増やしたい」と対策を模索している。
内閣官房の2020年のまとめでは、就職氷河期世代(37~46歳)の2割を超える366万人が非正規雇用で、うち42万人が正社員として働くことを希望している。ほかに、家事も通学もしていない無業者は42万人、仕事を探す完全失業者は36万人に上る。
政府は19年、氷河期世代の集中支援を念頭に「3年で正社員を約30万人増やす」とする目標を掲げた。自治体や企業も採用活動を開始。兵庫県内では20年4月、ハローワーク7カ所に専門窓口が開設された。
しかし、ほぼ同時期にコロナ禍が発生し、多くの企業は採用を抑制した。特に非正規労働者に対する風当たりは強くなり、解雇されたり収入が減ったりするケースが増えている。
「就職活動をしたが不採用が続き、年齢的に先行きが不安」(40代の契約社員男性)、「仕事をしたいが、生活リズムの確立が難しく、コミュニケーション力もない」(20年近く働いていない40代男性)など、県内の専門窓口には切実な声が届く。
兵庫労働局によると、21年4~12月の氷河期世代の相談は2354件に上り、前年同期比で5.6%増加した。求人情報を提供するほか、生活の立て直しについて助言するなど、きめ細かい対応に努める。
ものづくりを中心とした職業訓練施設「ポリテクセンター兵庫」(尼崎市)は昨秋、氷河期世代限定の見学会を初めて企画した。35~55歳の男女11人が参加し、コンピューターや建築設計など全14コースの授業を見て回った。
神戸市内のビル管理会社に正社員として勤める男性=神戸市須磨区=は、同センターのビル設備サービス科で学んで職を得た一人で、見学者との座談に参加した。
もともと福祉サービス業者の契約社員だったが、コロナ禍で契約満了になり、生活の糧を失ったといい「悩みや孤独、劣等感は大きかった。やっと人生のステージに立てたという思い」と打ち明けた。
県や労働局、県経営者協会など14団体で構成する「県就職氷河期世代活躍支援プラットフォーム」の事務局担当者は「コロナ禍で採用環境は厳しいが、改善につながる努力を続けたい」とし、雇用拡大に向けた企業への働き掛けなどを続ける。
神戸新聞:
https://nordot.app/872045543746224128?c=110564226228225532
関連記事
-
お知らせ
「年末年始も相談体制を」困窮者対応で国要請―新型コロナ
新型コロナウイルスの影響で失業者や路上生活者の増加が懸念される中、厚生労働省は年末年始も相談体制を確保するよう都道府県などに事務連絡を出した。生活保護などの窓口となる役所が長期間閉庁すると、困窮者の孤...
お知らせ就職氷河期世代の求人2カ月434件(11月30日)
厚生労働省は、「就職氷河期世代」の就職を後押しするため、西日本を中心に18カ所のハローワークで特例として行っている35歳以上55歳未満に限った求人に対して、10月末までの約2カ月間に434件の求人があ...
お知らせ氷河期世代の就労支援強化
政府は、「就職氷河期世代」(30歳代半ばから40歳代半ばの就職活動がバブル崩壊後の不況期に重なった世代)の就労支援を強化する方針を固めた。就農促進のため農業法人が実施する研修費を支援するなどの具体的な...
ご相談・ご依頼はお気軽にどうぞ!
-
【受付時間】9:00~18:00
【定休日】土曜・日曜・祝日