コラム
2021年度『賃上げに関するアンケート』21年春の賃上げ、中小企業は7割に届かず
コラム2021.08.19
東京商工リサーチ2021年春の賃上げアンケート調査
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賃上げを実施した企業(一部予定含む)は70.4%で、長期的な資金負担を伴う「定期昇給」や「ベースアップ」を避け、期間損益に応じた賞与や一時金の増額で対応した企業が多かったようです。
賃上げの実施率は、20年度の57.5%から12.9ポイント改善しましたが、コロナ前の19年度と比較すると、10.4ポイント下回りました。
規模別では、大企業の「実施率」が76.6%(1507社中、1155社)
中小企業は69.2%(8253社中、5716社)
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■製造業、建設業、卸売業の3産業で「実施率」が7割台に回復
産業別でみると、最高は製造業の77.1%(2850社中、2198社)
建設業73.2%(1120社中、820社
卸売業72.2%(2156社中、1558社)
宿泊業や旅行業、飲食業などが含まれるサービス業他は、大企業の66.5%(242社中、161社)に対し、中小企業も62.7%(1502社中、943社)
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■「賞与(一時金)の増額」企業が上昇
賃上げの実施内容は、
「定期昇給」83.1%(5608社)
「賞与(一時金)の増額」37.7%(2545社)
コロナ禍で業績低迷の中、定期昇給を見送り、賞与や一時金で社員の実質収入をカバーする企業が増えました。
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「賃上げ率」は、3%未満が50.7%
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昨年に比べ「賃上げ」は緩やかに回復しているものの、今後の感染再拡大の収束は見通せず、本格的な回復には至っていません。
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