コラム
コロナで注目、企業間「人材シェア」普及への壁3つ
コラム2021.07.13
コロナ禍により、テレワークなどオンラインでの業務推進が図られましたが、政府もデジタル庁を創設し、遅ればせながらもデジタル化の推進を進めているところです。
そして日本の経済成長の低迷や産業構造の変化の中で、日本の伝統的な終身雇用制が崩れ、さらにコロナ禍が人材流動化の加速に拍車をかけました。
そこで企業間の「人材シェア」の取り組みが広がっています。
.
しかしながら、その人材シェアを躊躇させている要因の一つは、一旦社外に出すと「もう戻ってこないのではないか」という懸念です。
かと言って、企業等が自社だけで人材を抱え続けることはリスクになり、それを解決するには、互いに信頼できる企業等が組んで、その中で人材をシェアしていく形、すなわち「コンソーシアム型の人材シェア」が今後進んで行くと考えられます。
.
そのコンソーシアム型の人材シェアにおいて問題になるのが、次の3点です。
- 企業等が独自にコンソーシアムを形成することが難しい
(2) 企業等が優秀な人材を囲い込み、不活性人材だけをシェアしようとすることで、人材とニーズがマッチングしないこと。
(3) 労働時間を複数の企業間で把握する仕組みなど人材管理の問題
このような問題を解決し、人材シェアを後押しする人材管理サービスも現れるものと思われます。
.
今のコロナ禍においては、人材シェアが労働需給調整の目的で行われていますが、もちろんそれ以外にも企業・働く人の双方にとって多くのメリットがあります。
- 自社だけでは難しい職業能力開発が行えるという点である。他社の持つ専門性などを獲得する機会を得ることができる。
- 自社内でポストが無い場合にも、他社のポストに就き、経営指導・技術指導などのマネジメント経験を積むことができる。
- 自身の市場価値を客観的にチェックする機会となりうる。
- 人的ネットワークが広がる。
人材シェアの時代には、企業は自社の社員を社外に送り出す覚悟を持ち、働く人は自ら企業等の枠を超えてキャリアを形成する勇気を持つことが重要となるでしょう。
.
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20210713-00439710-toyo-column
関連記事
-
お知らせコラム
大学生・大学院生の就職に関する意識調査—コロナ禍での変化
22年卒の75.6%が「テレワークや在宅勤務の制度があれば利用したい」と回答 =学情調べ= .就職情報サービス会社 学情は23日、2022年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象に、就...
お知らせコラムTwitterは外資系だから従業員を即時解雇できる? “イーロン・マスク買収”で広まる噂は本当なのか
アメリカの実業家イーロン・マスク氏が全株式を買収した米Twitter社 全従業員7500人のうち半数が解雇されたそうですが、 日本法人Twitter Japan㈱ の従業員はどうな...
コラム新着情報世界主要国「解雇しやすさ」ランキング…解雇しにくい国でお馴染みの日本、驚愕の順位
ツイッター社、アマゾン、メタ……米IT大手による大量解雇が話題になっています。 アメリカなどに比べ、日本では解雇規制が厳しいというのが一般的な認識だと思われます。 しか...
ご相談・ご依頼はお気軽にどうぞ!
-
【受付時間】9:00~18:00
【定休日】土曜・日曜・祝日