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休業者対象、雇用保険に特例 賃金の8割直接給付:厚労省方針
新着情報2020.05.14
厚生労働省は13日、休業者に月額賃金の8割程度を直接給付する方針を固めた。上限額は月33万円程度で調整する。雇用調整助成金を申請していない中小企業の従業員を対象とする。企業が申請する手続きの煩雑な雇用調整助成金を通してよりも、休業者を迅速に支援できるようにする。
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関連法案を今国会に提出し、成立次第、給付を始める。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた雇用保険の特例制度として設ける。2011年の東日本大震災の際に被災地で導入した「みなし失業」と呼ぶ仕組みを参考にする。
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休業者は企業から休業証明を受け取り、自らオンラインなどでハローワークに申請する。失業手当と同様に従業員に給付金が支払われる。企業の雇用維持を前提としつつ、国が従業員を直接支援する仕組みとなる。
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従業員を休ませている企業に月額賃金の80%を給付する英国の制度を参考とし、休業者本人の直近の平均賃金の8割程度を給付する方針だ。政府は雇用調整助成金の上限額を世界最高水準とされる英国並み(月額33万円程度)まで引き上げる方針で、新制度の上限額も同水準とする見通し。雇用保険の積立金に加え、一般財源も活用する。
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政府は企業に雇用調整助成金を給付し、従業員に休業手当を支払うのを支える仕組みを雇用維持のために採用してきた。新型コロナの感染拡大により、企業の経営環境が急速に悪化するなかで、手続きの煩雑さが問題となっていた。
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新型コロナの影響が本格化してきた2月中旬から5月12日までで、支給決定件数は5666件、支給額は8日時点で約10億円にとどまる。厚労省は申請から支給まで最短2週間を目標としているが、1~2カ月かかるケースが多い。
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新制度の支給は企業を介さず、個人が直接、ハローワークとやりとりする。申請書類も雇用調整助成金に比べて少なく、申請から1週間程度で支給できる可能性がある。
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中小・小規模事業者が雇用を維持しやすくなるメリットもある。雇用調整助成金は企業が休業手当を従業員に先に支払い、後から助成を受ける。休業手当を支払うための一時的な手元資金がない中小・小規模事業者では、やむなく解雇してしまうケースもある。新制度は企業の一時的な費用負担は発生しない。
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政府は雇用調整助成金の助成率や上限額の引き上げを通じて、手元資金に余裕のある企業には引き続き申請を求めていく方針だ。手厚い休業手当を支払う企業の従業員の場合、事業主に雇用調整助成金を使ってもらうメリットの方が大きいケースもある。ただ、これまで雇用調整助成金の申請に至らなかった企業の中には新制度を選択するところが増えそうだ。
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https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59055060T10C20A5EA1000/
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