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日本郵政が正社員の手当引き下げで非正規との格差是正へ
新着情報2018.04.18
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「同一労働同一賃金」実現へ正社員の手当引き下げ
日本郵政グループが、正社員のうち約5,000人の住居手当を今年10月に廃止することが報じられました。この手当はこれまで正社員にだけ支給されていて、非正社員との待遇格差は縮まることになりますが、「同一労働同一賃金」を目指す動きは広がりつつあるなか、正社員の待遇を下げて格差の是正を図るのは異例ということです。
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経過措置の設定で組合側も受け入れ
日本郵政グループは、日本郵政、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の4社からなり、廃止対象は、原則として転居を伴う転勤のない条件の正社員(約2万人)のうち、住居手当を受け取っている約5,000人。1人あたりでは、年間最大32万4,000円の減収になります。
きっかけは、日本郵政グループ労働組合(組合員数約24万人)が今春闘での要求で、正社員だけに認められている扶養手当や住居手当など五つの手当を非正社員にも支給するよう求めたことです。
これに対し、会社側は組合側の考え方に理解を示して「年始勤務手当」については非正社員への支給を認める一方で、逆に一部の正社員を対象に住居手当の廃止を提案しました。組合側は、当初は反対しましたが、廃止後も10年間は一部を支給する経過措置を設けることで折り合いました。
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手当の廃止は正社員に警戒感も
同一労働同一賃金に関する厚生労働省のガイドライン案では、正社員にだけ支給されるケースも多い通勤手当や食事手当といった各種手当の待遇差は認めないとしており、政府は非正社員の待遇が、正社員の待遇に引き上げられることを想定していました。
同一労働同一賃金の実現を、正社員の待遇を引き下げることによって実現しようという動きは、正規と非正規社員の間にあつれきを生む懸念もありますが、今回の日本郵政グループの判断を民間の単一労組では国内最大の組合側が受け入れたことで、こうした動きは他企業にも広がるかもしれません。
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