コラム
過労死ライン未満で労災 施設勤務の53歳男性 愛知
コラム2022.10.06
過労死ラインに到達していないとして、労働基準監督署が労災と認定しなかった事例で、裁判所が労災認定しました。
過労死ラインのみを重視せず、労働環境もより慎重に考慮する2021年9月改定の新基準に基づき判断されたものです。
虚血性心疾患や脳疾患は、労働時間だけでなく、心理的なストレスも大きな要因となることは、医学的にも証明されているところです。
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愛知県東浦町の保健施設に勤務し、令和元年に死亡した男性=当時(53)=について、愛知労働者災害補償保険審査官が「過労死ライン」に満たない残業時間で労災認定していたことが5日、遺族の代理人弁護士への取材で分かった。半田労働基準監督署(同県半田市)が令和3年3月に遺族からの労災申請を退けたが、今年3月、新基準に基づき労災と認められた。
遺族側は、男性の死亡は上司のパワハラも原因だったとして、施設側に損害賠償を求め、名古屋地裁に提訴している。
代理人弁護士によると、男性は「あいち健康の森健康科学総合センター」で高齢者の健康状態を評価するシステムの開発などに従事。副部長だった元年11月に自宅で倒れているのが見つかった。
死亡前6カ月の平均残業時間は約71時間で、過労死ラインの80時間には満たないが、死亡前の数カ月は10日前後の連続勤務を繰り返していた。
https://www.sankei.com/article/20221005-GH6VFTION5JZNBTVPJ3ODHRQPY/