コラム
すかいらーく 賃金支払い1分単位に 未払い金16億円余支払いへ
コラム2022.06.09
割増賃金(残業代)計算における端数の処理として、行政解釈では、
① 1か月における時間外労働、休日労働、深夜労働の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合には、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること
② 1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数を切り捨て、それ以上を1円に切り上げること
③ 1か月における時間外労働、休日労働、深夜労働の各々の割増賃金の総額に1円未満の端数が生じた場合、上記②と同様に処理すること
の3つの方法について、常に労働者の不利益となるものではなく、事務の簡便を目的としたものと認められるため、労基法24条及び37条違反としては取り扱わないとされています(通達昭和63年3月14日基発第150号)。
時間外労働の時間計算においても、①のとおり、1ヶ月の合計の端数処理が認められているだけで、日々の残業時間ごとに切捨て、又は切り上げることで端数処理することは認められていません。
すかいらーくホールディングスは、店で働くパートやアルバイトの勤務時間について、これまで5分単位で行い、5分未満の勤務は切り捨てる形で賃金を支払ってきましたが、来月以降、賃金の支払いを5分単位から1分単位に変更することを決めました。
会社の労働組合などから勤務管理の方法の見直しを求められていたことに応じたものです。
また、過去2年分をさかのぼり、5分未満の勤務の未払い金16億円余りも支払うとのこと。
この件について、松野官房長官は、次のように述べています。
「実際に労働した時間に対する賃金は、労働基準法により全額を支払わなければならず、労働時間の切り捨ては認められないこととされている。各企業においては、適切な労働時間の管理に基づく賃金の支払いを行っていただきたい」
実際の現場では、ここまで厳密に計算しているケースは稀かもしれませんが、法律上は全額支払うのが原則
原則を踏まえた上で、実態に応じた労働時間管理の必要があるでしょう。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220608/amp/k10013663701000.html
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