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コラム

胃潰瘍による失血死は直前の長時間労働などが原因…労基署が労災認定、遺族が慰謝料求め提訴

コラム2023.06.08

胃潰瘍による失血死が労災認定されたニュースは先日も取り上げたとおり、

 

脳血管疾患、虚血性心疾患や精神疾患で労災認定されることは多いのですが、

 

消化器系疾患で労災認定されるのは珍しいケースです。

 

 

この件で、遺族が民事損害賠償訴訟を起こしたとのこと。

 

“労災保険に加入していれば、労災事故が起きても大丈夫”

 

と高を括っている企業経営者は多いのではないでしょうか?

 

 

労災認定されれば、確かに労災保険から医療費はもちろん、

 

休業補償、遺族補償、障害補償も給付されますが、

 

それだけでは済まないケースも数多あります。

 

 

民事損害賠償を求める訴えを起こされると、

 

労災保険とは別に多大な損害賠償金が発生する場合があります。

 

このケースでも、7300万円の損害賠償を求められています。

 

 

民間の労災上乗せ保険などに入ることも必要かもしれませんが、

 

それ以前に過重労働にならないような労務管理が必要でしょう。

 

 

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(読売新聞)

 

2021年、富山県内の男性会社員(当時62歳)が胃潰瘍で失血死したのは、直前の長時間労働などが原因だったとして、富山労働基準監督署が労働災害と認定していたことがわかった。厚生労働省は消化器系疾患の労災認定基準を定めておらず、認められるのは異例という。男性の遺族は6日、会社に慰謝料など約7300万円の損害賠償を求める訴えを富山地裁に起こした。

 

訴状によると、男性は富山市の電気設備工事会社「北陸電気工事」を定年退職後、再雇用され、放送局の新社屋建設工事で現場責任者を務めていた21年12月、自宅で出血性胃潰瘍を発症して倒れ、病院で死亡が確認された。

 

同労基署の認定では、男性の時間外勤務は直近1か月で122時間に及び、その前の1か月も113時間に上っていた。男性は08年に胃潰瘍の疑いで薬を処方されたことはあったが、この工事が始まるまでは症状はなかったという。

 

厚労省は01年に、過重労働で脳や心臓の病気になった場合の労災認定基準を定めており、「発症前の1か月におおむね100時間の残業」などを過労死ラインとした。さらに11年には、うつ病などの精神障害などにも認定基準を設けたが、消化器系疾患はそれまでの認定例が少なく基準が定められなかった。

 

同労基署は遺族からの申請を受けて1年以上調査し、「男性の労働時間や仕事の内容を加味して、労働環境によって胃潰瘍が発症したことはありえる」と判断。5月19日付で労災と認定した。

 

遺族の代理人を務める松丸正弁護士(過労死弁護団全国連絡会議代表幹事)は「認定基準がないために遺族や労働者が労災申請を諦めることもある。今回のケースが消化器系疾患の認定基準を作るきっかけになってほしい」と話す。

 

北陸電気工事は労災の認定について「事実を大変重く受け止めている。時間外労働の削減に真摯(しんし)に取り組む」などとするコメントを発表した。

 

 

読売新聞:

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230606-OYT1T50194/

 

 

 

 

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