コラム
新型コロナワクチン接種を拒否する社員は、クビにできるのか?
コラム2021.09.14
どの企業も、コロナ感染対策には相当の力を入れて取り組んでいるものと思われます。
コロナ感染対策に力を入れるのはもちろんいいことなのですが、ワクチン接種を義務付けることは許されるのでしょうか?
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結論から申し上げますと、勿論 許されるものではありません。
企業には、従業員が安全で健康に働けるように配慮する義務「安全配慮義務」が課されています。
ワクチン接種の強制と安全配慮義務の兼ね合いはどうなのでしょうか?
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厚生労働省の新型コロナワクチンの接種についての見解は次のとおりです。
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(1)予防接種法によると、国民が新型コロナワクチンの予防接種を受けることは努力義務とされており、強制ではない(厚生労働省の新型コロナワクチン接種に関するサイトでも明示あり)。
(2)さらに、「職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていない人に差別的な扱いをすることのないよう」要請
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当然、ワクチン接種を拒否した従業員をクビにすることなどできるはずがありません。
業務命令との関係については、労働契約や就業規則で規定し合意されていれば業務命令権の範囲内となりますが、さらに業務上の必要性・合理性が認められるものでなければなりません。
コロナワクチン接種は、接種後の副反応の問題もあり、業務を遂行する上で接種を強制するほどの必要性・合理性はないものといえるでしょう。
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また、「ワクチン接種を終了した社員に会社からすき焼きセットを贈る」というのはどうか?
これも、接種しない社員に対して、差別的な取り扱いとなり、問題ないとは言えません。
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接種を受けるよう広く奨励することは問題ありませんので、未接種者に対して個別に勧奨するのではなく、掲示板や社内報などで周知する程度にとどめておくべきでしょう。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/7727a334669ffe9c9acae22caab6b75043d75ebb