雇用の助成金、支給まで2カ月 手続き簡素化が課題|社会保険労務士をお探しなら岡山県倉敷市にある大島事務所へお任せ下さい。

大島事務所
  • TEL:086-421-2601
  • お問い合わせ

【受付時間】9:00~18:00  
【定休日】土曜・日曜・祝日

》サイトマップはこちら

助成金情報

雇用の助成金、支給まで2カ月 手続き簡素化が課題

助成金情報2020.04.10

新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた企業の雇用を守るための「雇用調整助成金」について手続きの迅速化を求める声が相次いでいる。申請は10種類以上の書類を用意する必要があり、支給までも2カ月ほどかかることが多い。厚生労働省は企業が待つ期間を約1カ月まで短縮することを目指しており、手続きの簡素化や事務処理体制の強化を急ぐ。

.

「提出書類が多くて大変だが、利用しないわけにはいかない」。東京・高田馬場でゲームショップを経営する田中久也社長はため息をつく。3月末から営業を自粛中で、通販対応など一部業務以外の従業員は休ませている。

 

.

ハローワークで相談したところ、休業の予定を記載する「休業等実施計画届」、コロナの影響で事業が縮小した状況を説明する「事業活動の状況に関する申出書」、さらに「労使協定書」など10以上の書類の提出を求められた。会計事務所や社会保険労務士らの手を借りながら準備を始めた田中社長は「誰もができるようなものじゃない」と実感する。

.

企業は休業中、従業員に休業手当として賃金の6割以上を支払う必要がある。雇用調整助成金はこの費用を補助する制度だ。厚労省はコロナ問題を受け、従業員を解雇しない中小企業への助成率を特例で10分の9まで高めた。6カ月以上という雇用保険の加入期間の要件も取り払い、対象範囲をパートなど非正規雇用や新入社員にも広げた。

.

雇用維持を目指す政府は制度の利用を促すが、企業からみると手続きの負担の問題がある。社労士の三井純一氏は「雇用保険の条件を取り去ったことで従来より規模の小さな企業からの相談も増えた」と明かす。そうした企業は申請に必要な帳簿が十分そろっていないことも多い。今のルールでは「支給までこぎ着けられない」と指摘する。

.

受給までのタイムラグも課題だ。4月に休業した場合、支給の申請は5月になる。従来は申請から支給までにかかる期間の目安は2カ月。企業がお金を受け取れるのは7月だ。労働法制に詳しい倉重公太朗弁護士は「営業自粛で資金繰りが死活問題なのに時間がかかりすぎる」と指摘する。

.

政府も課題を認識してはいる。加藤勝信厚労相は「支給までの時間を縮め手続きも簡素化する」と表明している。申請時に必要としていた従業員の残業時間の確認など手間のかかる作業は省く方針だ。さらに事務処理の体制も強化すれば、支給までの期間を1カ月に短縮できると見込む。

.

過去にはリーマン危機時に要件を緩和して不正受給が増えた経緯もある。バランスは難しいが、何より経済の落ち込みは急だ。体力のない企業が持ちこたえられるよう迅速な対応が求められる。

(日本経済新聞より)

関連記事

  • 新着情報

    「『仕事でコロナ感染』労災申請が急増、100%認定の驚き」:日本経済新聞

    仕事が原因で新型コロナウイルスに感染したとして、労働者災害補償保険(労災保険)の申請が急増している。5月の30件台から9月2日時点で1000件を超えた。このうち審査を終えた約500件について厚生労働省...

  • コラム新着情報

    試用期間の解雇で「誤解」

    試用期間中の解雇又は試用期間満了後の本採用拒否は簡単にできると考える事業主は意外と多いものです。 しかしながら、それは大きな誤解で、試用期間満了後の本採用拒否であっても、簡単に認められるもの...

  • 助成金情報新着情報

    雇用調整助成金 新申請様式公表

    雇用調整助成金 判定基礎期間の初日が5月1日以降の場合の申請書式が公表されました。 .◆ 判定基礎期間の初日が令和3年5月1日以降であり、以下のいずれかに該当する小規模事業主緊急事態宣言の対...

ご相談・ご依頼はお気軽にどうぞ!

ページトップへ